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2022年7月4日
改善活動
SFAと行動習慣
当社は多様な業務システムの開発のご支援をさせていただいている。
近年、マーケティング及び営業に関するDXの重要性が指摘されている。そこで、歴史的に振り返りながら課題の本質を探ってみたい。
SFAとCRMとMA
結論からいえば、日本は20年以上遅れている。1998年3月、米国シカゴでMAをテーマにしたマーケティング・オートメーション・カンファレンス・アンド・エキスポが開催された。140社が展示するなど活況に満ちたものであった。 背景にあるのは、顧客の多様性である。つまりOne to Oneマーケティングである。MAは定期的なマーケティング手法を標準化し、効率的かつ効果的に顧客関係性を構築していく。
SFAを有効に活用するために
SFAは元々、顧客情報の共有化による効率化とコストダウンが主目的であった。
しかし、顧客満足を超え業績を上げていくには、各部門との情報連携が必要であった。機能的ベネフィットだけでなく、顧客ロイヤルティを獲得しなければ成長できない時代になっていた。
営業部門だけの活動では不十分だということだ。確かに、営業機能特に販売機能だけならECサイトで良いかもしれない。それではコモディティ化に陥る可能性がある。
信頼性や共感といったロイヤルティを得るには新たなニーズに応えるための技術営業的な側面、環境対応などの社会的側面、ストレスのない保守サービスの側面、そして修理する権利への対応などが求められる。
技術的営業であれば開発設計、環境対応であれば購買、保守サービスであれば保守部門やコールセンター、修理する権利であれば3Dプリンターの対応が想定され生産製造技術の支援が必要となる。
新規顧客を獲得するには
SFAは、見込み客のクロージングの効率化を目指す。MAは見込み客の獲得、育成あるいは新たなカテゴリーで顧客ニーズを創造する上で役立つものと思われる。そのように位置付けると横並びの関係になる。当然かもしれないが、MAには創造性や実験するマインドが求められる。マーケティング・オートメーションというと標準化、自動化という印象が強いが、新たな視点を想起させるものでなければ未知なる顧客の創造はできない。
行動習慣
表題のSFAと行動習慣であるが、SFAが欠かせないものであることは理解できる。現状の活動、顧客の声などの情報が視覚化されなければ適切な判断と行動はできない。そしてSFAのデータがCRMやMAを構築する上でのヒントも提供してくれるはずだ(全てとは言わないが)。
そこで従来から言われている基本的な課題にぶち当たる。それは、営業の属人化と情報の非共有という文化(行動習慣)である。ただ、〇〇顧客と会った、という情報では意味がない。情報の質を問う必要がある。インプットがなければアウトプットはない。インプットの質量が乏しければ、アウトプットの質量も乏しくなる。このように考えていくと、やはりというか、週報などの習慣化や教育は欠かせないのではないかと思える。
※「SFA(Sales Force Automation)」
一般に営業支援システムと訳される。営業が商談を開始してから受注に至るまでの進捗状況を可視化し、その活動の管理を行うもの。例えば、訪問記録、顧客リスト、提案書、見積書、見込み客への情報発信、クレーム対応、既存顧客へのフォローなど多岐にわたり、これらを定型化できれば生産性向上が見込める。
※「CRM(Customer Relationship Management)
一般に、「顧客関係管理」や「顧客関係性マネジメント」と訳される。CRMは文字通り、顧客を主体としたマーケティング手法。顧客の属性や顧客を取り巻く各チャネルを通じ、自社との接触履歴を記録・管理することで、顧客に応じたコミュニケーション(タッチポイント)を行い、業績の拡大に繋げていく。CRMを実践するにはSFAが必要となるので、SFAはCRMの一部(コア)であると考えると分かり易い。