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2024年4月18日
改善活動
競争戦略より大切なこと
企業価値を高める三つの戦略という考え方がある。
まず一つ目は「カスタマーインティマシー」顧客との関係性、親和性である。二つ目は「プロダクトリーダシップ」製品やサービスが秀逸であるかどうか。そして三つ目が「オペレーショナル・エクセレンス」業務の運用・管理の効率向上である。
この三つはセットであり、同時達成しないと成果はあまり期待できない。
改善より戦略の方が重要だと思うのは自然かもしれない。戦略も思っているだけではダメだ。実行しないと意味がない。「オペレーショナル・エクセレンス」は実行力が前提である。無駄を無くすことであるが、それは改善力を意味する。
コロナ禍の2020年、自動車メーカー各社が苦戦する中、トヨタはその年の9月、生産・販売台数で過去最高を記録した。要因は損益分岐点を800万台から600万台にしたことである。
「競争戦略より大切なこと」(※)というのは論文の表題である。
ハーバード・ビジネススクール、MITスローンスクールなどが共同で研究したものである。12000社を調査した結果で、経営管理能力の重要性を過小評価してはいけない、というものだ。優れた経営管理と業績が相関するということを証明したものである。
これまで多くの企業で多様なプロジェクトを経験してきたが、鍵は実行力である。特に改善は自己否定を伴うことも多く、また習慣を変えるためには相応の努力を伴い、何よりもあまり楽しくないと感じるので実行されない。元に戻ることも多い。
VUCA時代において、変化に対し先んじて柔軟に対応する組織文化(組織の足腰)を醸成していくことは欠かせない。改善活動は運動でいえばスクワットやランニングのようなもので基本動作のようなものではないか。
※Why do we undervalue competent management (HBR 2017)