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2022年10月3日

改善活動

データ経営におけるミクロとマクロの視点

データ経営におけるミクロとマクロの視点

デジタル経営やDXなどは、『データドリブン』であることが経営の必須条件になってきている。このデータと改善の関係について考えてみたい。

改善活動には大きく2つの視点がある。
1つは「デザイン・アプローチ」。上からの視点で戦略的、構造的に今のビジネス及び業務システムを変える(変革といってよい)もの。
もう1つは「ボトムアップ・アプローチ」。積み上げ式アプローチで、現状をベースにできることをコツコツと、小さな改善を積み上げていくもの。
デジタル経営と聞くと何となく変革的なイメージがあるが、どちらかといえばボトムアップ・アプローチに近い。

エスノグラフィー・データ

改善活動が現状分析から始まる、そもそもの問題の定義は『現状とあるべき姿のギャップ』である。ギャップが大きければ対策はよりダイナミックなものになる。
従来のボトムアップ・アプローチは改善マインドにウェイトが置かれてきた。掃除をしないと部屋にものが溢れていくように、日々整理整頓をしておかないと、ミスなどのムダが発生する。
乱雑な部屋がスタイルだという人もいるだろうが、組織であり効率を求める経営においては、乱雑は許されない。

今の時代のボトムアップ・アプローチは『リアルタイム』が重要視される。
顧客の動向を洞察するためには、リアルタイムでの一連の顧客行動の把握が有効であり、デジタルはそれを可能にする。
これまでは売上などの結果データが中心であったが、Web内のアクセスデータ、そして顧客行動の観察データが重要視されるようになってきている。
エスノグラフィーが顧客の真のニーズを描き出す可能性があるからだ。つまり、人間中心のユーザー・エクスペリエンスをベースとした人類学的視座が求めれ、そしてそれを知る必要がある。

データの不偏性

細かくそしてリアルタイムでデータを取ることは大切であるが、忘れてはいけないのはバイアスである。偏ったデータ群は誤った推論をもたらす。
あえてデータの不偏性といったのは、先述のデザイン・アプローチに関係する。ミクロな視点とマクロな視点では見えてくるものが異なる。離れてものを眺める場合、特定の領域、あるいは特定の幅だけを眺めては構造(システム)が見えて来ない。
デジタル技術の進展で多くのデータが自動収集できるようになってきているが、全体が見え、良く混ざっている、バラツキのないデータ群なども必要である。

個と全体の両方を観るセンスが必要である。
既存顧客のVOICEも重要であるが、それだけでは最も可能性が大きいノン・カスタマーへの仮説は出てこない。