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2022年6月13日
改善活動
ゾーンで観る改善
改善活動に関し、これまでは業務改善及び改善マインドという観点から当社の取り組みを紹介してきた。
今回は、当社が人材育成制度の一環として、並行して進めている業界研究の視点から『改善』というものを観ることにした。
ゾーン・マネジメント
※ゾーン・マネジメントはJ.ムーアが唱えた概念である。事業の位置づけを4つのゾーンに分ける考え方である。
一つは効率化を追求するプロダクティビティゾーン。
二つ目は既存事業でしっかり稼ぐパフォーマンスゾーン。
三つ目は数年後には稼ぎ頭に成長させたいトランスフォーメーションゾーン。
最後四つ目はブルーオーシャンを創造するインキュベーションゾーンである。
業務改善をイメージすると、対象ゾーンは、プロダクティビティゾーンそしてパフォーマンスゾーンに該当する。どの機能、プロセス、業務を徹底的に効率化するかは、当該企業の事業戦略によってことなるだろう。
コア業務とみないのであれば徹底的効率化対象となる。基本的に、戦略のミスは戦術ではカバーできないとすれば、パフォーマンスゾーンを強化する方向性でスタッフ部門などのプロダクティビティを徹底効率化することになるだろう。
経営は日銭を稼がないといけない。既存事業の維持と拡大は基本命題だ。
パフォーマンスゾーンを強化するということは、既存の製品、サービス、顧客体験などの高度化を意味するので、効率化と付加価値向上を同時達成する発想が求められる。基本的な活動は、市場の声(ボイス)を把握する仕組みと声から洞察する組織能力を洗練することになる。
これまで改善というと、成果(アウトプット)を一定にして、インプットを下げるという定義であったが、VUCA時代においては、効率化と付加価値向上を、市場とシンクロさせながら同時達成する活動と捉えることが当たり前と考えたい。
トランスフォーメーションゾーンへの足掛かり
当社では、既存事業に新規事業のアイデアを掛け合わせたもの。或いは、既存事業からスピンオフするような事業をトランスフォーメーションゾーンとして捉えている。
データが価値を持つ時代において、既存事業から蓄積される情報から、新たなサービスが生み出されることは周知である。課題は、データを自動的に収集する仕組み、データの区分そして何を予測させるかである。
よって、「予測したいこと」からさかのぼり、知るべき推察できるデータをストレスなく収集できる仕組みを構築することが、トランスフォーメーションゾーンの改善ととらえたらどうだろうか。
※. Zone to Win: Organizing to Compete in an Age of Disruption(2015)