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2024年6月6日
SS業界研究
交換所と水素ステーションへ
EVの販売が世界的に鈍化しているようである。いずれにしても新車のガソリン車は販売できなくなる。
EVは中国BYDのシェアが拡大している。走行距離区分で価格帯を設定しているのは消費者ニーズに適合している。また、充電設備も充実している。上海でEVタクシーが成立しているのは充電設備の充実にある。充電設備のスタンダードはテスラ方式である。
さて、今後もBYD式のEVとテスラ式急速充電設備が浸透していくのだろうか。BYDはCell to Body構造を採用し剛性と部品点数削減を実現している。
三つの動きに注目したい。一つは全固体電池である。BYDではリチウムイオン電池ではなく、リン酸鉄リチウムイオン電池を採用している。全固体電池の性能は、リチウムイオン電池の2~3倍程度は向上する。さらに、個体であるので安全性も増す。EV性能は電池で決まるというのなら、走行距離の問題は徐々に改善される。
二つ目は交換式バッテリーである。すでにオートバイや一部の自動車で活用されている。BYDが採用するCell to Body構造は部品点数を減らすメリットがある反面、分解が難しい。つまり、電池交換は無理である。全固体電池でバッテリー交換方式になればボディ構造も変える必要がある。
三つ目は水素である。既に日本と欧州では水素をインフラとする議論が進んでいる。ガソリンの代わりに水素を充填すればよい。内燃機関は残る。課題は安全性と水素ステーションである。バッテリー以上に安全性が求められるとすれば、日本の品質技術は優位になる。EVはモジュラー型に移行しているが、安全品質を求めればインテグラル型が求められる。
自動運転に関してはSSとは切り離しておくこととし、ここでは言及しない。以上のように考えると、SSはバッテリー交換所そして水素ステーションになるのかもしれない。加えるならガソリン車のメンテナンスと部品調達(3Dプリンター含む)そしてリサイクルセンターになるかもしれない。